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2019-04-06

機械彫刻の未来を考える。

当店のレザークラフト用の刻印は機械彫刻で製作しているのですが、今のところはこの加工方法が一番綺麗に正確に製作方法です。

(機械の精度や刃物、加工プログラム、製作者の腕で出来栄えは変わります。)

 

彫刻加工には他にも色々な種類があり、手彫り、機械彫刻、レーザー彫刻などがあります。

それぞれ特徴があり、まったく同じではないのですが、手彫り、機械彫刻は今や絶滅寸前な訳です。

 

理由は加工の難易度が高い事と、レーザー加工機の技術の進歩がすごい事です。

この世の中から仕事がなくなっていくのは、テクノロジーの進歩による影響が大きいのです。

 

俺は機械彫刻だけでがんばるぜ!レーザー加工になんか負けないぜ!

 

とがんばっていると間違いなく死にます。

歴史が教えてくれています。

 

人力車→機関車→電車

フィルムカメラ→デジカメ→スマホ

このように変化してくのです。

 

 

ちょっとここで時計を参考に彫刻の紹介です。

中心のXLARGEはレーザー加工、周りの小さい文字は金属性の刻印でプレス加工で打刻されています。この打刻印は彫刻加工を利用して製作されています。

XLARGEと浮き上がっているの部分は、プレス加工でエンボス加工という技法で作られています。彫刻加工とは少し違います。

 

このように身近なものに彫刻加工がされています。

レーザー加工機では機械彫刻では再現できない細部の再現が可能です。

ただ金属に彫刻できるレーザー加工機というのはかなり高額です。

(機械彫刻とレーザー加工機でそれぞれメリット、デメリットは違います。)

それでも導入は検討しなければならないかなっと考えている今日この頃です。

 

何も変えずに今のまま仕事をしているのは衰退しているのと同じです。

新しいことを初めていかないと先がないわけです。

 

(以前にも書きましたが、設備投資に失敗しても終わりなわけですが・・・)

 

 

2019-03-16

細線はしっかり再現されているか?

刻印を製作するにあたり、大切なことに細線の再現があります。


細線をしっかり再現するには、機械や刃物や加工についてを熟知していないとできません。

ここをしっかり再現することで技術料という費用をいただけると思っています。


再現できている画像です。再現できていないと消えかかった文字になってしまいます。ぱっと見は問題ありませんが、不具合も発生します。

Exif_JPEG_PICTURE


細線が消えているということで発生する問題です。


①細線が細くなっているということは、黒くなる部分は細くなり、白くなる部分が大きくなります。よってもとのデザインが忠実に再現されていないということになります。


②版に高低差があるので刻印したときに、浅い刻印では文字の一部が刻印されなくなります


③木への焼印のときは、高低差があることで低い部分は木に熱を伝えません。
検証はしていませんが、箔押しの際も不具合がでるかもしれません。


こちらも検証はしていませんが、強い力で押し込んだ場合、先端の平の部分が、まったくないので先端の形状がわずかに変形する可能性もございます。


細線を再現できないと上記のような問題が発生するわけです。


お手持ちの刻印が、なにかおかしいと思ったかたがおりましたら虫眼鏡やルーペで簡単に確認できます。

スマホで画像を撮って拡大して確認することも可能です。


元のデザインをできる限り再現するという気持ちがないと、潰れた消えかかったデザインの刻印を製作してしまうことになります。


コストばかり意識せず、良いものを製作することを一番に考えていきたいと思います。