この仕事をしてますとお客様から届く添付ファイルを開く瞬間がとてもドキドキです。
加工に全く問題ない物や いや~これは・・・と思う物までいろいろです。
今回紹介させていただく刻印は後者になります。
メールが届き お客様「ベースサイズ20㎜×20㎜内でお願いしたいです。」
ふむふむ、なるほど20㎜×20㎜ですね。どんなんかな~~~
添付ファイル開封の儀
これは細かい!え?20㎜×20㎜
ちょっと待って!無理だろう?
私の頭脳IQ30 Pentium III マイクロプロセッサーで解析します。
頭から煙を出しながら考えた結果
これは20㎜×20㎜では無理だという事になり、お伝えしました。
お客様「どのくらいの大きさなら可能ですか?」
またまた Pentium III 搭載の頭脳の出番です。
パソコンとにらめっこして、ソフト+今までの経験で答えを出します。
私「ベースサイズ30㎜×30㎜内でしたら細部まで表現できると思います。」
お客様「お願いします。楽しみにしています」
私「あ、ありがとうございます!」(プレッシャーーー!)
刃物はどれ使う?プログラムどうする?いろいろ考えます。
心配なのは細い溝にどれだけ革が入り込んでくれるかです。
経験から30㎜×30㎜と答えを出しましたが正直少し不安が残ります。
製作させていただいた刻印がこちらです。
これじゃなんだかわかりませんよね?
刻印すると↓
おお!!いい!!これはしっかりとライオンとわかるではないか!毛並みも再現されているぞ!
若いときは難しいこと嫌な事からは逃げてばかりでしたが、難しいことに挑戦しないとこの世の中生きていけません。おっさんになりやっと気がつきました。無理なものは無理なのですが経験と知識でできそうなものには、できるだけ挑戦しないとと、再確認しました。
I様この度はご注文ありがとうございました。とても喜んでいただけて安心いたしました。
また機会がございましたらよろしくお願いします。
先日、刃物の切れが悪くなってきたので交換しました。機械もメンテナンスしてやらないと壊れますのでメンテと調整です。
なかなかこれが大変で一日がかりです。
調整してテスト加工ですが終了後、加工したものを見ると納得いきません。
普通に見る分にはいいのですが顕微鏡でみると納得いかないのです。再度調整してテスト加工です。
左が最初のテスト加工品、右が再調整後です。
この大きさで見てもかわりませんね。
再調整品は納得の出来です。
仕事をしているとトラブルや壁にぶつかることもありますが、私が尊敬している方が新しい事に挑戦しているときにブログでこんなことを書かれていました。
進歩とか手応えがなければ、これは私には無理なのだ、と諦めがつくのですが、失敗を重ねるたびにれっきとした進歩もあって、手応えも十分あり、きちんと○○が作れるようになるまでそれほど遠い先の話ではないぞ、となると、結構面白くてもうやめられないのです。ある意味始末が悪いです。
しかし、こうやって苦労しながら自分が持っていない技能とか技術を得る努力をして行かないと、ただ金がほしいだけの業者として短い人生が終わってしまうのです。
本当にその通りだと思います。
物づくりすべてに共通することではないでしょうか。
私もしっかりと技能、技術を得る努力をしていきたいと思います。
26engrave(ニーロク エングレイブ)は低コストでオリジナルの真鍮製の刻印をオーダー製作しています。
頂いたデザインを刻印にすることも、ご要望のデザインを26engraveで製作することも可能です。(詳しくはホームページをご覧ください。)
レザークラフトをされている方、お気に入りの革製品やハンドメイド作品へのワンポイントにおすすめです。