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刻印実験

2021-06-05

小さい文字の再現性と加工限界

よくあるお問合せで、小さい文字は読めますか?どれくらいまで小さくできますか?というご質問をいただくことがあります。

これは回答に困ります。

筆記体などは、ある程度の大きさがないと加工できないので加工できる大きさで回答するのですが、ゴシック体や明朝体で小さくできる文字は加工で再現できたとしても肉眼ではほとんど見えない場合もあります。

見える、見えないに個人差がでるため今回わかりやすくまとめてみました。

※画像では大きく見えてしまうのでご注意ください。

 

まず、加工限界について説明させていただきます。

これから細かい柄のデザインをお考えの方は参考にしてください。

再現できる線の太さですが、刻印した時に黒くなる部分は0.07㎜
白くなる部分は0.2㎜が標準とお考えください。

※白い文字を浮かび上がらせたい場合は幅0.2㎜ですと綺麗に浮かび上がりません。
最低0.3㎜以上を推奨いたします。

(白抜きの文字については、この記事の一番下に書いておきます。)

 

特殊加工でそれ以上も再現できますが、料金が上がってしまいます。参考にしてください。↓
https://26engrave.com/blog/21243

https://26engrave.com/blog/11200

 

それでは小さい文字の検証画像になります。

1 革への刻印

2 革への焼印

3 木への焼印

4 革への箔押し

で検証しています。

 

サイズはこのようなサイズで製作しました。

 

1 一番細かい部分まで、再現できるのは革への刻印です。

再現性も高いので失敗も少なくなります。

画像ではaの縦1㎜サイズも見えますが、肉眼では厳しいです。
あまりおすすめはいたしません。
またこのサイズは書体により製作できない場合もございます。

 

2 革への焼印になります。
押す時間や温度などで変わってくるので刻印に比べて安定して押すのは難しくなります。

 

3 木への焼印になります。

こちらも革への焼印と同様です。

木にもより変わりますが、多少にじみます。凹凸のない平らな木に焼印してください。

400番のペーパーでならすと多少にじみが消えます。↓

 

4 最後は箔押しになります。

箔押しは潰れやすいので文字の間隔や細かい部分の隙間は1㎜以上はあったほうがよいです。

細かいデザインではなく、シンプルなデザインを推奨します。

 

以上になります。

いろんなデザインや書体がありますので、経験値からできるだけアドバイスはさせていただきます。
ただやってみないと分からないという部分もあるということはご承知おきください。

 

デザインする際の注意点 (追記)

打刻(手打ち刻印)で刻印する場合のデザインは、

・デザインの線が細めであること

・ベタ部分が少ないこと

・デザインのバランスが左右か上下に偏っていないこと

・あまり大きくないこと(デザインや打刻の環境などでかわるので、具体的なサイズを言うのは難しいです。)

以上のことを注意すると良いと思います。

ただハンドプレス機で刻印する場合は、上記の条件はあまり関係なくなります。

数回に分けて押せば、バランスの悪いデザインも綺麗に刻印できます。

 

 

白抜きの文字について

白抜きの文字ですが、ドクロの右下の文字になります。

浮かび上がらせるためには、

・革が刻印に適していること(色が変わらないと見えにくい)

・文字が小さすぎない事(線の細さは最低0.3㎜以上 推奨は0.5㎜以上)

文字サイズは「a」の文字で縦2㎜になります。

 

刻印では綺麗に浮かび上がりますが、箔押しでは条件が合わないと潰れてしまいます。

箔押しで白抜きの文字を再現したい場合は3㎜以上あった方が良いと思います。

(書体によって変わります。)

白抜きの文字についてもう少し詳しく書いている記事です。

参考にしてください。

https://26engrave.com/blog/25147

https://26engrave.com/blog/4980

 

箔押しについてです。

https://26engrave.com/category/%e7%ae%94%e6%8a%bc%e3%81%97%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6

 

 

2021-02-24

超微細な刻印

当店では特注で超微細な刻印の製作が可能です。

(通常の仕様でもかなり細かい部分まで再現できます。)

どれくらい細かいか実際に製作した刻印で紹介させていただきます。

 

 

革に刻印した画像です。左から縦18㎜ 12㎜ 8㎜ で製作しています。

これくらいの画像サイズでは細部がわからないので、拡大します。

 

 

定規をあてた画像です。1㎜単位で定規に線がありますが、その線の太さが約0.17㎜になります。

最小の彫り込み幅は0.05㎜ほどになっているのがわかるかと思います。

 

 

材質は真鍮です。

 

一番小さいの縦8㎜のサイズは、肉眼では細部はほとんど見えません。

文字ならどれくらいまでのサイズが良いかアドバイスもできますが、このような複雑なデザインの場合は作ってみないとわからない部分が多いです。その点はご注意ください。

 

また製作するにあたり、手間と時間が通常よりかかりますので、費用も上がってしまいます。

通常の刻印費用+5000円~(お見積り) 面積や細かさなどで費用は変わってきます。

他にはない細部までこだわったとブランドロゴを製作したいという方におすすめです。

 

話が少し逸れますが、日本の加工業者さんはすごいところがたくさんあるので、さらに細かい部分までできるところもあるかもしれません。ただ、その会社さんが、刻印1個をオーダーで製作してくれるかというと恐らく作ってはくれません。そう考えると、この微細な真鍮製の刻印をオーダーで販売できるところは、国内にもそうないのではないかと思います。

 

細かいデザインのロゴをご検討の方は参考にしていただければ幸いです。